HSP:「鎧」の驚きの効果(6)

HSP、繊細さとつき合う

弱くてふにゃふにゃで
泣き言ばっかり言ってる私を
認めよう、って決めた
残念ながら、それが自分なんだ

こちらのつづきね

そう、その
「弱っちい自分」こそが
自分の本当の姿

幼い頃から人見知りで
みんなと公園で遊ぶより
ひとりで絵を描いたり
本を読むのが好きで

誰にも懐かず
誰にも頼らず
誰にも心を開かずに
ひとりでいた

運動もからきしダメな子で
逆上がりも出来なくて何度もやらされて
なんで、出来ないってわかってるのに
何度も同じことさせるのかも
意味わからなかったし

運動会は本当に嫌いで
ただ走る速さを競うことに
何の意味があるのか
まったくわからなかったよね

組体操とか玉入れとか
ほんとに、やりたくなさすぎて
本当にもう、本を読ませてくれ!
としか思えなかった

宿題忘れたり、
理解できないと動けなかったりで
よく、男の子にからかわれた

集合写真取るよーという声に転び
半泣きで写真に写るどんくさい子

少しづつお友だちも増えたけど
心から打ち解けられる人はいなかった

「人」は大抵とても面倒で
大抵とても自分勝手に感じられた

許可していないのに
勝手に土足で入ってきては
私が、相手の期待に応えないと
また足音高く出ていった

理解者なんていなかった
共感してくれる人、なんていなかったし
私自身を見てくれる人、なんていなかった

こんな世界嫌いだった
子どもはみんな、バカか乱暴モノで
大人は、うそつきしかいなかった

心休まる相手は
猫しかいなかった

だから私は
硬い鎧を身に着けた
「感じないこと」にする鎧を

自分のいる場所を
嫌いだと感じたままでは

自分を弱いと信じたままでは
生きていけなかったから

しかし、驚くことに
その硬い「鎧」は
ことのほか便利で
居心地が良かったのだ

感じないことにしておけば
大抵の傷は避けられる

受け取らずに知らんぷりしてれば
相手の攻撃はただ
地面に落ちるだけなのだ

これは、9歳の子どもには
すごい発見だった

それまで攻撃されるたび
涙をこらえていた私は
「鎧」を身に着けた途端
「冷笑」という武器を手に入れた

これはすごい武器で
これを見せると大抵の子どもは
すごすごと引き下がり

また幾人かは、手のひらを返し
私の機嫌を伺うようになった

私はたちまち、
クラスの権力者になり
その頃には「鼻で笑う」
というスキルも身につけていた

別に人気があるわけでも
人が集まってくるわけでもない
ただ、私に誰も
ちょっかい出さなくなったのだ

それだけで、教室に居ることが
とても楽になった

そして不思議なことに
その頃からなぜか
「冷笑」し「鼻で笑う」
という鼻持ちならんガキンチョに
普通に話をしてくれる友だちが出来た

彼女らと一緒にいる時間が増えて
私は、鎧を身に着けたことすら
徐々に、忘れていった

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