母と子の「プライバシー」問題

プチ心理学

先日、とあるゲームのイベントで
10歳位かなといった女の子と
そのお母さんが並んでいました

ゲームなので、並ぶ人たちは
子ども、若者ばかり

その後ろに並んだ私に
前のお母さんが話しかけてきました

多分、年が近そうな私が
もらったウチワを持って
嬉々として並んだのを見て
ちょっと安心されたのでしょうね

「私はやったことないんですけど
この子がゲームにハマっててねぇ
でも、周りにやってる友だちがいないって…」
と、問わず語りにお話するお母さん

あぁ、とても良いお母さん
なのだろうなー…

あー、お子さんのこと、
手を掛け、心を配り
見守ってらっしゃるんですよねー…
わかる、わかるよー

ですがねぇ…ダメです

お子さんのこと、
ベラベラ話しちゃダメです

「なんで言うの!」
少女の制止も、あまり功を奏さずでしたので

その部分は
聞かなかったことにしつつ
「一緒にやってみられるといいですよ
楽しいですよ」
といいつつフェードアウトしました

もし、お嬢さんの
フレさんになってくれるなら..
安心な人ならいいな
娘が楽しく過ごせたら..

断片的に伝わってくる
お母さんの思いもわかる年の私です

でも、ダメなんです
子どものプライバシーを侵害しては

プライバシーは、
個人や家庭内の私事・私生活
また、それを他の個人や
社会に知られず、干渉を受けない権利

とあります

お嬢さんがゲームにハマっている
というのも

周りの友だちに
同じゲームをやっている人が居ない
というのも

お子さん自身プライバシー情報
私事、私生活の情報です

例えば、同じ情報を
お母さんではなく、
その子のお友だちが
私に話をしてきたとしたら
どう感じるでしょうか?

ちょっとなに人のこと
勝手に話しているの?
と思いませんか

ひょっとしたらお友だちと
喧嘩になるかもしれません

それは
お子さん自身プライバシー情報
だから

お友だちが他者に公開する
権利のない情報だからです

お友だちに権利がないのと同様に
お母さんにも、
その権利はありません

例え、お子さんでも
ありません

お子さんは、
「独立したひとりの人間です」

この当たり前のことを、
養育者の多くは、
度々忘れてしまいます

お母さんにとっては、
自分のお腹で10か月余り育て
自分の生命を賭けて授けた命です

特にヒトの場合は、
ご自身と一心同体に
育てる時期が長く続きます

その長く淡い
グラデーションの見極めって
難しいだろう事と想像します

でも、お子さんのその
「イヤだ!」の表明は
ちゃんと受け止めて上げて欲しいなぁ
と他人事ながら思ってしまったのでした

私は、直接お子さんと
接することはありませんが
「イヤだ!」「やめて!」を
言いたくても言えなかった

言ったとしても
受けいれてもらえなかった
という環境で育った方の
お話をよく伺います

人に知られたくない情報を
親が近所に親戚に拡散してしまう

親自身がその情報を
バカにしたり笑ったりしてしまう

大人からすると
そんな些細な事で
と感じることでも、

子どもは大きく
傷ついてしまうことが
あるんですよね

そして、
自身のプライバシーを
尊重されなかったことで

その後の人間関係が
難しくなっている方も多いのです

その、お母さんから
プライバシーが
尊重されなかった経験は

安全を脅かされた経験
となってしまいます

自分にはイヤなことが
お母さんの「愛」
という矛盾を抱えます

そうすると
その子は大人になったとき
自分にとっては不快なことを
その人の好意だから断れない
ようなことが起こる可能性があります

子どもには子どもの感じ方があり、
思考や嗜好があり
世界や価値観があります

それは、お母さんのそれらとは
絶対に違います

その違いを認め
そして、その違いを尊重して、

自分の事のように
勝手に他人に言ったり
しないでください

この辺のお話は、心理学ですと
「境界線」「バウンダリー」
と言います

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