HSP:身体からの決定的なNO(3)

HSP、繊細さとつき合う

なんかしんどい
なんかつらい

この人といると、なんだか頭が痛くなる
ここにいると、なんだか息苦しくなる

それも、体調が悪いのかな
そんなことを言い訳にしてはダメだ
と、自分にむち打ちながら
歯を食いしばっていた

そんなことにすら
我慢していることにすら
気が付かなくなって

小さく小さく身を固めて
ひたすら辛いことが
通り過ぎてくれるのを待っていた

それに気がついたのは
仕事を辞めて行った本郷綜海さんの
女神山のリトリート

山で採れた野菜と天然の湧き水
だけで過ごす3泊4日

カフェインも、砂糖も、
アルコールも、チョコレートもない

本も、雑誌も、CDもDVDもない
テレビも、ラジオもない
スマフォも見ない

あるのはただ
山の自然と恵み、動植物
そして、
それらに吹く風の音、雨の音だけ

最初は、手持ち無沙汰で
ただボーッとしていたけど

3日目には
そのなにもない世界で
すべて満ち足りている自分に気がついた

なにもないのに、全部ある
それは、不思議な感覚だった

東京という街は、なんでもあるのに
私の欲しいものは、ひとつもない
そう思って欲求不満になっていたけれど

ちがった
外側になんて、本来なにも要らなかったのだ

そして、その3泊4日で
大事な自分の欠片を持ち帰ってから

私は、あれほど好きだった
珈琲が飲めなくなった

それを皮切りに
そこから1年も経たずに
柔軟剤も、香水も、シャンプーも、
ハンドクリームもスイーツも

それまで必要と思っていた
それに助けられている
と思っていたものすら
身体が拒否するようになった

洗剤を変えて
服と下着を変えて
香水も捨てて
シャンプーを石鹸にして

おそるおそる身体の反応を見つつ
拒否しないものだけを選ぶ
もちろん、買ってみたものの
激しいイヤイヤで拒絶されることもある

あれは、身体が「イヤだ」を言い始めた
ってことなんだと思う

それまで感覚を塞いで、我慢してきたことを
もうやってらんね!!
って反乱を起こしたんだと思う

ちょっと苦手だななんて
手ぬるいものじゃなくて

太刀打ちできないほどの
激しい拒絶だったから
私はそれに屈するしかなかった

思えばそれまで、私の身体は
とても従順で丈夫だった

徹夜して飲み明かしても
次の日仕事に行けるし(しんどいけど)

浴びるほどお酒を飲んでも
二日酔いが冷めたらケロッとしてたし

なにを食べても飲んでも
きちんと消化してくれる

多少疲れても寝たら治るし
風邪を引いても寝てれば治る

そんな風に身体をこき使って
身体のいうことなんて
全く聴いてこなかったのだ

いままで、身体に
なんて無頓着だったのだろうかと
自分に呆れるほどだった

これは大丈夫?
これは欲しい?要らない?
私は、身体の機嫌を伺うように
食事をした

そうすると
欲しい物と要らないものが
はっきりしてきた

そして、もうひとつはっきりしたのは
お酒や珈琲や、甘いものは
食べたくて、飲みたくて、
身体に入れてるわけじゃなかった

色んなことをごまかすために
感覚を麻痺させるために
お酒や珈琲に依存していた
ということに気がついてしまったのだった

あぁ、ごめんね…
全然、身体を労ってあげてなかったよね

そうこうしているうちに
私の身体は、見る間にボロボロになっていった

湿疹で真っ赤にただれたお腹
なにをしても下がらない熱
かと言って上がり切るわけでもなく
何ヶ月も熱が上がっては下がり

腹痛やら、めまいやら、頭痛やら
咳やら、吐き気やら
ひどい時には、吐くまで咳が止まらなく
咳で眠れないことも多くなった

このまま…
一生このままだったらどうしよう

不安なまま、夜咳き込んでしまうので
夫と寝室を別にすることにした

夫が病院に行けというので
行っては見たものの
原因はわからず、薬を出されるだけ

検査結果から白血球の数値が高いと
それを下げる抗生剤を出された

薬局で、ここで飲んでくださいと言われて
その場で飲んだ

その夜、私は一回死んだ

コメント

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