全ての母親は、毒親以上、聖母未満

ビリーフ、思い込み、価値観、観念

毒親、虐待、ネグレクト…
そんなことはない、ちゃんと育ててもらったし、飢えることもなかったし
塾や大学にも行かせてもらった

そんなにひどいことは、特にないんだけれど
トラウマなんて、全然ないんだけど
でも、どうしてこんなにしんどいのだろう..というお話を伺うことは多いのです

暴言暴力があるわけではない、むしろ大事に育ててくれた
そう考えると、親に会いたくない、会うとしんどいと感じる自分の方が、おかしいんじゃないか、という気持ちになる

そうなんだよね、わかる
私もそうだったから

共働きの家庭で、専業主婦の家庭よりは多少裕福で、父も母も普通に愛情を持って育ててくれた
時には喧嘩もするけど、それなりに仲の良い家族だと思っていた

それなのに私は、孤独だった
天涯孤独で、誰とも分かり合えない、誰も私の事を理解しない、居場所はどこにもない、私は一生ひとりで生きて、死んでいくんだと思っていた

ずっと寂しさを抱えているのに、人と仲良くなることが出来なくて、付き合う方がいても、すぐに見放されるんじゃないかと怖くなって、自ら別れを切り出して身を引いていく

人と親密になるということが、まったくできない女だった
この人ならとべったりと依存するか、見放される恐怖で離れるか、常にこの二択しかないので、相手も疲れるだろうけれども、私自身もまた、常に感情の急上昇と急下降を繰り返す自分に、ほとほとうんざりしていた

その後、アダルトチルドレンという言葉に出会うと
そこに出てくる子どもたちは、驚くくらい自分にそっくりだった

元々はアルコール依存の家族の元に生まれた子どもを指す名称だったけど、何かの問題のためにうまく「家族」の機能が失われた家族(機能不全家族)の元に育つ子どもを指す

その子どもたちは、自分の感情や、ニーズ、欲求はそっちのけにして、親の関心、愛情、注目、評価を得るため、もしくは親自身のニーズや欲求を、子どもが満たすために、幼いながらに身を粉にして格闘する

つまり子どもらしく、わがままを言ったり、親の愛情や関心を求めたりといった、自分の感情やニーズ、欲求のケアをしてもらえない(程度の差はある)という子ども時代を過ごす

そしてそれは、私が人に素直な気持ちやお願いを伝えることが出来ないことや、いつも人といると緊張していたり、人の顔色を窺って機嫌を損ねないようにしたり、いつもどこに居てもそこが自分の居場所ではないような感じにつながっていた

私も、虐待や体罰、大きなトラウマなんてない、ちゃんと育てて貰ってきた..そう思っていたけれど、自己探求を進めていくにしたがって、実は心に傷を負っていたことが分かってきた

虐待も、暴力も暴言もなくっても、子どもは親たちの様子を見て、親を心配し振る舞いを変える
その小さな身体で、親を守ろうとし、親をなんとか安心させようとする

でも、そうするとその子の本当の気持ちや、感情や、愛されたいという欲求はどこへ行ってしまうの?

どこへも行かずに、心の奥底に凍らせてしまう
そして凍らせたまま、親との関係性を他の人たちにも適用して生き延びていく

うん、しんどかったよね、大変だったよね
暴力や虐待がなかったとしても、あなたはしんどい時を頑張って凌いだよ

他の人と比べなくてもいい
私なんて、まだまだ幸せだから、こんなことくらいで不幸だなんて..そんなこと思わなくていい
だって、あなたがつらい時を過ごした(一時的にでも)というのは、あなたにとっての事実だから

どんな親も、完璧な親ではないし
全く問題のない家庭なんてない

だから、あなたの「事実」が大事なの
それって、嫌だったよね、悲しかったよね、認めていってあげようね

コメント

タイトルとURLをコピーしました